株式市場における日本一ソフトウェアの株価推移を振り返ると、ヒット作の有無によって業績と株価が大きく乱高下する「ボラティリティの高さ」が顕著に現れています。同社のビジネスモデルは、数百万本規模を売る超大作を狙うのではなく、数万〜数十万本規模の中小規模タイトルをコンスタントにリリースする多作方針を軸としてきました。この方針ゆえに、新作の発売スケジュールが四半期をまたいでズレ込んだり、開発遅延が生じたりするだけで、一時的な営業赤字に転落しやすい体質を抱えていたのです。
この業績の波を補う防波堤となっているのが、米国子会社「NIS America」を通じた海外展開です。日本国内ではニッチと見なされるシミュレーションRPGや探索アクションであっても、北米や欧州、アジア圏のJRPG愛好層から熱烈な支持を獲得。売上高に占める海外比率は過半数を超える期も珍しくなく、為替の円安基調も相まって収益の下支えに大きく寄与しています。
客観的な指標を見れば明らかなように、一時的な赤字決算が報じられた時期はあったものの、自己資本比率は高水準を保ち続けています。短期的な資金ショートで会社が立ち行かなくなるというシナリオは、財務諸表を無視した過度な風評被害であると断言できます。