用途によって訪れるべき専門店のタイプは明確に分かれます。ビジネスの接待や人生の節目を祝う場面では、ギフト向け高級ワイン専門店が威力を発揮します。こうした店舗では、木箱入りラッピングやオリジナル化粧箱の用意はもちろんのこと、ボルドーの格付けシャトーやブルゴーニュの特級畑など、著名銘柄のオールドヴィンテージを厳格な温度管理下でストックしています。ボトルラベル(エチケット)の汚れや傷を防ぐセロファン包装の丁寧さなど、贈られた側の心理を計算し尽くしたホスピタリティが特徴です。
対照的な熱気を見せているのが、農薬や化学肥料を極力排除し、醸造時の酸化防止剤(亜硫酸塩)使用を最小限に抑えた自然派ナチュールワイン専門店です。下北沢や清澄白河、富ヶ谷といったカルチャー発信エリアに多く、オレンジワインをはじめとする個性的なボトルが揃います。
ただし、ナチュールワインを扱う店舗選びには注意が必要です。酸化防止剤が少ないワインは極めて熱に弱く、温度変化を受けると短期間で還元臭(硫黄のような臭い)が出たり、液体が濁って再発酵を起こすリスクを孕んでいます。店頭にエアコンが効いているだけでなく、専用のガラス張りウォークインセラーを備え、ボトルを立てずに休ませている優良店を選ぶ眼力が求められます。