検索エンジンやSNSのタイムラインで散見されるコムサイズム ダサい 噂の真相を追うと、デザインそのものの欠陥というよりは、日本のアパレル消費史が生み出した「認知の歪み」が浮き彫りになります。
コムサイズムが誕生したのは1993年。母体であるファイブフォックスが、DCブランドブームの頂点を極めた高級ラインコムサデモード(COMME ÇA DU MODE)の世界観を、ファミリー向けに手頃な価格帯で提供するセカンドラインとして投入しました。折しも郊外型大型ショッピングモールが全国に乱立した2000年代初頭、黒を基調にしたクールな世界観と「家族の絆」をテーマにした売り場は爆発的な支持を獲得。「全身コムサ」で揃えることが一種のステータスとなった時代がありました。
しかし、この「どこにでもあり、誰もが着ていた」という過去の強烈な成功体験こそが、現在のネガティブなイメージの源泉です。ファッションにおける同調圧力が薄れ、ファストファッションの品質向上や個性の細分化が進んだ現代において、当時のモノトーン一辺倒なストイックさを思い出す層からは「平成の遺物」「没個性」とみなされてしまう現象が起きています。ネット上の掲示板や知恵袋での辛口な書き込みを精査すると、直近のコレクションを実際に手に取って批判しているケースは極めて少なく、大半が「昔流行ったブランド」という固定観念に基づいているのが実態です。