今シーズンの順位を語る上で欠かせないのが、ベンチワークと編成の意図です。AC長野パルセイロの監督采配においては、昨シーズンまでの課題であった「ボール保持率は高いものの決定打に欠け、カウンター一発に沈む」という脆さを克服すべく、守備ブロックの再構築と素早いネガティブ・トランジション(攻から守への切り替え)の徹底が図られています。
試合中の交代カードの切り方にも変化が現れています。従来は見受けられた後手後手の対応が減り、相手のプレッシング強度や疲労度を観察した上で、後半60分前後に前線の運動量を一気に引き上げる采配が的中するケースが増えました。記者会見で指揮官が語った「美しく負けることよりも、泥臭く勝ち点をもぎ取る執念が必要だ」という言葉は、現在の実利主義的な戦術運用にそのまま色濃く反映されています。
また、移籍情報・戦力補強の側面でもフロントの明確なビジョンが見て取れます。J2やJ1クラブからの期限付き移籍を含めた即戦力のアタッカー確保と、中盤のデュエルでボールを奪い切れるフィジカルを備えた実力派の補強は、チーム全体のインテンシティを一段階押し上げました。得失点差が劇的に好転するまでには至っていないものの、守備崩壊による大敗が激減した点は、順位の底割れを防ぐ防波堤として確実に機能しています。