脱衣所から浴室へ入ると、どこか懐かしい昭和の銭湯の風景が広がる。壁に描かれた富士山のペンキ絵、カチカチと音を立てる蛇口。だが、耳を澄ますと聴こえてくるのは、静寂とは程遠いエッジの効いたBGMだ。
サウナ室内や水風呂のエリアには、日替わりでこだわりの音楽が流れる。ある日は激しいロック、またある日は懐かしいアニソンやシティポップ。この「視覚は昭和、聴覚は令和」という奇妙なミスマッチが、若い世代にとっては新鮮な体験として映る。静かに黙浴するだけの場所から、五感で楽しむエンターテインメント空間への脱皮がここにはある。