今や日本の夏の定番となった「サラダうどん」。その発祥の地がここにある。1970年代、まだ生野菜を主食と合わせる習慣が珍しかった時代に、当時の店主が考案したメニューだ。シャキシャキのレタス、みずみずしいトマト、そして特製のマヨネーズソースが、コシの強い手打ち麺と絡み合う。この一見ミスマッチとも思える組み合わせが、当時の若者たちの心を掴み、やがて全国へと広がっていった。
「最初は『邪道だ』と怒る常連さんもいましたよ」と、古参のスタッフは苦笑交じりに振り返る。しかし、時代が健康志向へと傾くにつれ、その評価は一変した。現在では、ヘルシーかつ満足感のある一皿として、健康意識の高い現代人やベジタリアン層からも熱烈な支持を得ている。歴史とは、時に偶然の革新から生まれるものなのだ。