ガラス張りのファサードをくぐり抜けると、そこはまるで別世界だ。天井を埋め尽くす巨大なLEDスクリーンには、東京のサイバーパンクな未来を想起させるモーショングラフィックスがうねりを上げている。しかし、視線を足元に落とすと、そこには京都の老舗職人が手掛けた漆塗りのディスプレイ什器が静かに佇んでいる。この対比が面白い。ハイテクとローテクの衝突が、独特の緊張感を生み出している。
「ただ靴を売るだけの場所なら、オンラインで十分でしょう」。店内で取材に応じたブランドのクリエイティブ担当者は、不敵な笑みを浮かべてそう語った。彼らが目指したのは、訪れた者の脳裏に焼き付く「体験」の提供だ。五感でブランドの哲学を感じ取ってもらうための仕掛けが、3つのフロアの至る所に散りばめられている。