マグロ呼吸の真実|なぜ止まると死ぬのか?驚きの睡眠とラム換水法

マグロ呼吸の真実|なぜ止まると死ぬのか?驚きの睡眠とラム換水法

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「マグロは止まると死ぬ」というフレーズの真相は、比喩ではなく物理的な呼吸困難による窒息死を意味します。私たちが普段目にする沿岸の魚、例えばマダイやアジ、金魚などは、岩陰や水底でじっと静止した状態でも口とエラ蓋を規則正しくパカパカと開閉させています。これは口腔内の圧力を変化させて海水を吸い込み、エラへ送り出す「吸い込みポンプ換水(頬筋ポンプ法)」と呼ばれる自律的な呼吸動作です。

一方、マグロはこのエラ蓋や口腔を自力で大きく動かす筋肉が極端に退化しています。自発的に水流を吸い込むポンプ機能を持たないため、静止した瞬間にエラを通過する水流が途絶え、海水中に溶け込んでいる溶存酸素を体内に取り込む術を失ってしまいます。

海洋生物学者の調査報告や定置網の混獲現場における記録によると、網に絡まって前進できなくなった個体は、わずか数分で重度の酸欠状態に陥り、およそ3分から5分程度で不可逆的な脳死・心肺機能停止に至ることが確認されています。水中で溺れるという直感に反する事態が、遊泳を止めたマグロの体内で瞬く間に進行するのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。