本作の最大の魅力は、日本映画界の第一線で活躍する本格派実力派俳優たちが、底抜けにくだらない下ネタと超能力バトルに本気で挑んだキャスティングの妙にあります。愛知県東三河の長閑な地方都市を舞台に、突如として目覚めたテレパシーや念動力を巡って繰り広げられる人間模様は、単なるコメディの枠に収まらない濃密な熱量を放っていました。
物語の中心となる鴨川嘉郎(染谷将太)は、平凡で奥手な高校生でありながら、ある日突然「他人の心の声が聞こえる」テレパシー能力に覚醒します。嘉郎が密かに思いを寄せる東京からの転校生・浅見紗英(真野恵里菜)、そして嘉郎の幼馴染で口の悪いヤンキー少女・平野美由紀(夏帆)という対照的な2人のヒロインを軸に、歪んだ青春の三角関係が構築されていきました。
さらに嘉郎を取り巻くエスパー仲間たちのキャスティングも異彩を放っています。卑猥な妄想によって念動力を発動させる喫茶店マスター・永野輝光役にマキタスポーツ、全裸にならなければテレポートできないエロ本配達員・榎本洋介役に深水元基、嘉郎の親友でテレパシーを悪用しようとするヤス役に柄本時生が配され、深夜枠ならではの怪演を披露しました。超能力の謎を追う大学教授・浅見隆介役の安田顕と、その妖艶な助手・秋山多香子役の神楽坂恵が不穏なスパイスを加え、物語はカオスな町内規模の超能力戦争へと発展していきます。