「世界一長い英単語」を語る際、ネット上で頻繁に話題となるのが189,819文字を誇る巨大タンパク質「ティチン(Titin / コネクチン)」の化学名です。この名称は「Methionyl...」で始まり「...isoleucine」で終わる途方もない長さを持ちます。
実際にこれを最初から最後まで人間が休まず読み上げる様子を収めた検証動画がYouTube等で公開されていますが、完全な発音に要する時間は約3時間30分以上に達します。単行本1冊分に匹敵するテキスト量です。
辞書編纂者が「単語」と認めない明確な言語学的理由
これほどの長さがありながら、なぜオックスフォード等の辞書には採録されないのでしょうか。辞書編纂者たちの見解は明確です。
化学の命名規則(IUPAC命名法)に従えば、アミノ酸配列を順に記述することでどんなに長い化学物質名でも理論上作成できます。しかし、これは「物質の構造を説明するための化学的記述コード(Chemical Formula)」であって、人間が概念を伝達するために共有する「語彙(Lexeme)」とはみなされないためです。そのため、言語学的な正規の単語ではなく「記述的名称」として分類されています。