ニュースを眺めていると「国務大臣」と単なる「大臣」が混在して使われ、別の役職が存在するように思われがちです。しかし法律上、国務大臣とは日本国憲法に基づき合議制の国家最高機関である内閣を組織する構成員の正式名称であり、独立した「普通の大臣」というポストは法的に存在しません。
実務上の国務大臣と大臣の違いを理解する鍵は、「身分」と「配属先」の二段階構造にあります。まず内閣のメンバーとして「国務大臣」に任命され、その上で「外務大臣を命ずる」「財務大臣を命ずる」という形で各行政機関の長(主任の大臣)に補職されます。つまり、外務大臣もデジタル大臣も、本質的な身分は例外なく全員が国務大臣です。
この根拠となるのが日本国憲法第66条です。同条第1項には「内閣は、首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する」と明記され、同条第2項によって「国務大臣は、文民でなければならない」と軍職にない文民統制が義務付けられています。
また、就任時の皇居での儀礼にも厳格な憲法上の序列が存在します。内閣総理大臣は天皇自ら任命を行う「親任式」が執り行われますが、国務大臣は内閣総理大臣が任命し、天皇がその手続きを証明する「認証官任命式と親任式」の法的な差異が明確に区別されています。天皇から直接辞令を受ける総理に対し、国務大臣は認証を受ける立場である点に、行政権の首長と構成員の明確な主従関係が表れています。