彼の役者としてのキャリアを語る上で外せない金字塔が、2012年公開の映画『苦役列車』だ。主人公の友人役を演じた彼は、当時40代にして第55回ブルーリボン賞新人賞を受賞するという異例の快挙を成し遂げた。新人賞という響きとは裏腹に、画面から漂う哀愁と生々しさは、すでに円熟した役者のそれだった。この受賞を機に、日本映画界は彼を単なる「芸人枠の客演」ではなく、本格的な怪優として認識することになる。
その後も人気シリーズ『闇金ウシジマくん』での村上役など、人間の業や後ろ暗さを抱えたキャラクターを抜群のリアリティで演じ切った。大河ドラマ『おんな城主 直虎』で見せた深みのある重臣の佇まいは、NHKオンデマンドなどの配信でも長く語り継がれている。清濁併せ呑む独特の空気感は、彼にしか出せない強烈なスパイスだ。