順風満帆に見えたキャリアを大きく揺るがしたのが、2009年末に大阪・南の飲食店で起こした傷害事件でした。世間からの猛烈な逆風を浴び、芸能活動の無期限休止を余儀なくされた黒田が、なぜ再びテレビの第一線へ復帰できたのか。そこには複数の決定的な背景が存在します。
最大の要因は、大物芸人や業界重鎮による惜しみない救済と推薦でした。関西芸能界のフィクサー的存在であった故・やしきたかじんをはじめ、明石家さんま、松本人志、東野幸治らが公私にわたり黒田の才能と反省の態度を高く評価。「黒田の芸をこのまま埋もれさせてはならない」と、各番組のプロデューサーへ働きかけ、復帰の場を整える手助けを行いました。
もう一つの理由は、黒田自身が公の場で見せた徹底的な謝罪と泥臭いまでの反省姿勢です。非を全面的に認め、自らの慢心を赤裸々に告白したことで、厳罰化が進む芸能界にあっても「過ちを犯したが、芸で償おうとする人間」としての筋を通しました。不祥事芸能人に対する世論の反発が年々厳格化するなか、黒田の早期復帰劇は、関西特有の「情の深さ」と「圧倒的な話芸の腕」が奇跡的に噛み合った極めて稀有な事例といえます。