作物の品種区分を調べる際、まず戸惑いやすいのが早生種の読み方です。現代の標準的な園芸・農業用語では「わせしゅ」と読むのが一般的ですが、古くからの農業現場や地域の方言、伝承的な種苗の文脈では「わさしゅ」あるいは「わさだね(わさ種)」と呼ばれるケースが多々あります。言葉としての語源は古語の「早し(わさし=成熟が早い)」に由来しており、いずれも「同種の作物の中で、開花・結実・登熟までの日数が際立って短い系統」を意味しています。
農業の世界では、作物の播種から収穫までの生育スピードに応じて、主に以下の4段階に分類されます。
1. 極早生(ごくわせ / ごくわさ):早生種よりもさらに生育期間が短く、シーズン最序盤に収穫できる超早期タイプ。
2. 早生(わせ / わさ):標準よりもかなり早く成熟し、市場へいち早く供給される主力早期タイプ。
3. 中生(なかて / なかせ):収量、食味、耐病性などのバランスが取れた、作物の標準的な基準となるタイプ。
4. 晩生(おくて / おくさ):じっくりと時間をかけて育ち、収穫期は遅いものの、大玉化や長期保存に適したタイプ。
極早生と早生の違いは、主に「積算温度の必要量」と「収穫までの所要日数」にあります。極早生は開花や肥大の開始時期が極めて早く、何よりもスピードを最優先した遺伝的特性を持っています。対して一般的なわさ種(早生種)は、極早生ほどの超スピードではないものの、食味やサイズを一定水準に保ちながら中生種よりも2〜3週間以上早く収穫段階へ到達するバランス型として設計されています。