読者の記憶に強く刻まれている「逆だったかもしれねェ」というフレーズですが、「具体的に何巻のどのエピソードだったか」を正確に把握しているファンは決して多くありません。この台詞が描かれたのは、激動の展開が続いたNARUTO疾風伝 五影会談編のクライマックスです。
五影会談を急襲し、木ノ葉の上層部であったダンゾウを討ち果たしたサスケは、万華鏡写輪眼の酷使によって視力を失いかけながらも、かつての師・カカシや仲間であるサクラに刃を向けます。憎悪に完全に呑み込まれ、もはや対話の余地がないかに見えたサスケ。その暴走を身を挺して止めたのがナルトでした。
かつて終末の谷でぶつかり合った螺旋丸と千鳥が再び交差した際、一流の忍同士が拳を交わすことで生まれる精神の空間が広がります。そこでナルトは、サスケの殺意や孤独を真正面から受け止めながら、こう語りかけました。
「オレとお前は…逆だったかもしれねェ…」
このセリフの直後、ナルトは「里の奴らにバケモノ扱いされて、里を恨んで復讐しようとしたかもしれねェ」「サスケ…お前がオレみたいになってたかもしれねェ」と言葉を続けます。ただサスケの悪行を非難するのではなく、自らの足元にあった底知れぬ闇を見据えながら発せられた告白でした。