高校入試に関する言説の中には、ネット上でまことしやかに拡散されているものの、現場の実態とは大きく乖離した誤解が数多く存在します。後悔のない進路選択のために、以下の2つの盲点を直視しなければなりません。
第一の誤解は、「高校の偏差値が高ければ、難関大学への現役合格が保証される」という神話です。実態データは冷徹です。公立トップ校や自由な校風を掲げる難関私立校では、学校側が手取り足取り受験指導を行わないケースが多く、生徒の自律的な学習力に依存しています。結果として、東京大学や京都大学、医学部への合格者数を誇示する名門進学校であっても、卒業生の30〜45%が浪人を選択しているという実態があります。高い偏差値は「生徒の地頭の平均値」を示しているに過ぎず、「学校が大学へ受からせてくれる力」とは同義ではありません。
第二の誤解は、「高校無償化によって私立高校の学費はすべてタダになる」という思い込みです。各自治体の私学助成金は「授業料」にのみ充当され、施設費、PTA会費、制服・指定学用品代、部活動費、そして何より大学受験に向けた外部予備校の費用は全額自己負担です。高校段階で家計の余力を使い果たしてしまい、肝心の大学進学時に奨学金や教育ローンに頼らざるを得なくなる家庭が急増しています。