麻美ゆまが体調の異変を感じ始めたのは2013年初頭のことでした。下腹部の激しい張りや違和感を覚え、医療機関を受診したところ、腹部に巨大な腫瘍が発見されます。当初は単なる体調不良と見られていたものの、精密検査の結果、下された診断名は「卵巣境界悪性腫瘍」でした。
卵巣境界悪性腫瘍とは、組織学的に良性腫瘍と悪性腫瘍(卵巣がん)の中間に位置する病態を指します。一般的な卵巣がんに比べて進行速度は緩やかであるとされる一方、放置すれば周囲の臓器への浸潤や転移を起こすリスクがあり、根治のためには外科的な完全切除が基本となります。当時20代半ばという若さで直面したこの診断は、彼女の人生設計を根底から覆す過酷な現実でした。