野田佳彦氏が掲げる最大目標、それは言うまでもなく中道勢力の結集と政権交代の実限だ。しかし、かつてのような甘い理想論や聞こえの良いスローガンは一切口にしない。いま永田町で蠢いているのは、綿密な計算に基づいた極めて現実的な政治リアリズムである。
立憲民主党の舵取りを担う野田氏は、無党派層や保守層の一部すら引き込む「現実的な対案路線」を徹底している。単なる反自民の受け皿にとどまらず、政権運営の能力と安定感をアピールする狙いがある。与党の過半数割り込みに乗じ、法案ごとの与野党協議で主導権を握るその姿は、かつての自民党熟議政治の影すら漂わせる。