それほどまでに過酷な試練でありながら、なぜ今、一発試験へ向かう人が後を絶たないのか。背景にあるのは、容赦ないインフレの波だ。
人件費や燃料費の上昇を受け、2026年における指定自動車教習所の受講料はAT限定でも33万〜37万円前後まで跳ね上がっている。合宿免許ですらシーズンによっては30万円を軽々と超える。これに対し、一発試験であれば、仮免・本免の受験料や交付手数料を合わせても数万円程度。費用差は10倍近い。
「奨学金を返済しながら生活する身として、教習所に35万円を払うのは不可能だった。不合格になっても5回以内に受かれば30万円近く浮く。賭ける価値は十分にあった」
横浜市に住む大学4年男性(22)は語る。彼のような生活防衛派の若者に加え、過去に免許失効や取り消しを経験し、運転操作そのものには慣れている「再取得組」が背水の陣で挑むケースも目立つ。