昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わる中で、「男は泣くべきではない」「黙って耐えるのが美徳」という価値観は急速に色褪せていった。特に2020年代後半に入り、メンタルヘルスケアへの関心が高まったことで、男性が自らの弱音や不安を口にすることは、むしろ「自己管理能力の高さ」として評価されるようになっている。
「昔なら『女々しい』と一蹴されていた行動が、今では『人間らしい』と受け止められる」。都内のIT企業に勤める男性(26)はそう語る。失恋の痛手を友人に打ち明け、涙を流す。そんな当たり前の感情表現を制限する合理性は、今の社会にはもう見当たらない。