サイト上に躍り出たのは、異様な造形の作品群と、独特の屈折した文章だった。元少年Aが自らドメインを取得し、デザインから構築までを手掛けたとされる公式Webサイト。そこには自身の生い立ちや内面世界を吐露する記述とともに、不気味なナメクジの写真や奇怪なアートオブジェクトが整然と並べられていた。
世間が首をかしげたのは、そのサイトが開設されたタイミングとメッセージ性である。かつて「酒鬼薔薇聖斗」と名乗り、日本中を恐怖の底に突き落とした人物が、なぜネットという開かれた空間で自己アピールを開始したのか。閲覧者の間では「自己承認欲求の暴走」「遺族への配慮を欠いた挑発行為」といった激しい非難が巻き起こり、サーバーにはアクセスが集中した。自己の過去を昇華させようとするような自己中心的な言説は、社会に対する新たな刃として受け止められたのだ。