二人の距離が急速に縮まるきっかけとなったのは、園子温監督が手掛けた2012年公開の映画『ヒミズ』での共演です。過酷な運命に翻弄される少年少女の極限状態を描いた本作において、二階堂ふみはヒロインの茶沢景子役を全身全霊で演じ切りました。新井浩文は主人公を取り巻く路上生活者(夜野正造役)として出演し、撮影現場でも異彩を放っていました。
過酷な現場で知られる園子温作品において、役者同士が共有する緊張感と連帯感は通常の現場以上であったと伝えられています。当時の制作関係者の証言によると、現場において新井浩文は、若くしてストイックに役作りに没頭する二階堂ふみの才能を高く評価し、役者としての相談に乗る兄貴分のような存在であったとされています。その後、2012年11月公開の三池崇史監督による映画『悪の教典』でも再び同じ作品に関わったことで、親密な関係へと発展していきました。
舞台挨拶や映画関連の特番インタビューでも、二階堂ふみは先輩役者たちに対する深いリスペクトを語っており、カルチャーや映画に対する深い造詣を持つ新井浩文の世界観に強く惹かれていったプロセスは、極めて自然な流れであったといえます。