近年の葬儀形態の急激な変化は、60代の参列者を悩ませる大きな要因となっています。家族葬が全体の半数以上を占めるようになり、「香典辞退」の文言が案内状に明記されるケースが急増しました。
ネット上の相談掲示板やSNSでは、次のような60代ユーザーの切実な声が散見されます。
「長年の友人の訃報を受け、香典辞退と書かれていたが、何もしないのは心苦しく、無理やり受付で渡してしまった。後日、丁寧すぎるお礼状とともに返礼の品が届き、かえって先方に気を使わせてしまったと反省している」(64歳男性・元会社員)
葬儀関係の専門家は次のように指摘します。
「案内状に『香典の儀は固くご辞退申し上げます』と明記されている場合、いかなる立場であっても香典を持参して押し通すのはマナー違反です。遺族側は返礼の手間や費用の管理を省き、静かに故人を見送りたいという強い意図を持っています。どうしても弔意を示したい場合は、後日遺族の意向を確認した上で、供花やお線香を贈るにとどめるのが賢明な判断です」
社会構造が変わり、葬儀が「義理と体面」から「個人の尊厳と遺族の負担軽減」へとシフトしている現在、形式的なしきたりを押し通すのではなく、相手の意思を尊重する柔軟性が求められています。