中島裕翔を語る上で欠かせないのが、映像業界の第一線で絶賛される圧倒的な芝居力です。中島裕翔の演技力の評判は、社会現象となった『半沢直樹』(2013年)での若手銀行員・中西役で一気に全国区となり、その後も数々の難役に挑み続けてきました。
ゴールデン帯単独初主演を務めた『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(2016年)では、社会の荒波に揉まれる不器用な主人公の心情を繊細なグラデーションで表現。さらに織田裕二とバディを組んだ月9ドラマ『SUITS/スーツ』シリーズ(2018年・2020年)では、驚異的な記憶力を持つ若き弁護士・鈴木大輔役をスタイリッシュかつ軽妙に演じ切り、幅広い視聴者層から支持を獲得しました。中島裕翔のドラマ出演作は、いずれも単なるアイドルドラマにとどまらない骨太な人間描写が際立っています。
スクリーンにおいても、中島裕翔の映画出演作は鮮烈な足跡を残しています。映画初主演作となった『ピンクとグレー』(2016年)での狂気と葛藤が入り混じる熱演に続き、ワンシチュエーション・サスペンス『#マンホール』(2023年)では、人生の絶頂からマンホールの底へ転落した男の極限状態をほぼ一人芝居で怪演。第73回ベルリン国際映画祭のベルリナーレ・スペシャル部門に正式招待され、現地の映画人や観客からスタンディングオベーションを浴びました。極限の心理状態を視線の揺らぎや息遣いだけで伝える表現技術は、日本映画界でも屈指のレベルに達しています。