ウエスタンリバー鉄道に乗車したゲストが最も息を呑む瞬間が、終盤に訪れるトンネル内の「太古の世界(プライモーディアル・ワールド)」です。西部開拓時代のアメリカ河や原生林を旅していたはずの列車が、暗闇を抜けた瞬間に巨大なアロサウルスやブロントサウルスが蠢く白亜紀の世界へとタイムスリップします。
この一見唐突とも思える演出のルーツは、1964年に開催されたニューヨーク万国博覧会にまで遡ります。当時、ウォルト・ディズニーはフォード・モーター社のパビリオン「マジック・スカイウェイ」のために、最新技術であったオーディオアニマトロニクスを駆使した恐竜たちのリアルなジオラマを開発しました。万博終了後、その精巧な恐竜たちを廃棄することを惜しんだウォルトは、カリフォルニアのディズニーランド鉄道に「プライミバル・ワールド」として移設・統合したのです。
東京ディズニーランドのウエスタンリバー鉄道にもその偉大なヘリテージ(遺産)が直輸入され、グランドキャニオンの深い地層を潜り抜ける演出を通じて、数億年前の地球へと時空を超える圧巻のストーリーテリングが完成しました。単なる観光列車にとどまらず、ウォルトの情熱とイマジニアたちの歴史的挑戦を今に伝える極めて重要なシーンとなっています。