2008年から2010年にかけてのまんとくん人気は、当時のネットカルチャーと密接に結びついていました。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やニコニコ動画、黎明期のTwitter(現X)では、せんとくんとまんとくんを擬人化したり対決させたりする二次創作やパロディが多数投稿され、ネットユーザーの間で一種の社会現象と化しました。
この現象の面白さは、対立構造がいつしか「ライバル関係としての共闘」へと変化していった点にあります。まんとくんという強力なライバルが現れたことで、せんとくん側もいじられ役としての愛嬌を開花させ、互いが互いの認知度を高め合う相乗効果が生まれました。
当時のゆるキャラ界において、ひこにゃんのブレイクに続くこの「奈良のマスコット騒動」は、キャラクターが持つ情報拡散力とPR価値を社会に決定づける契機となりました。市民が自発的にムーブメントを作り上げた好例として、地方創生やメディア論の観点からも高い評価を受けています。