騒動が起こる前、ベッキーの生い立ちと経歴はまさに芸能界のサクセスストーリーそのものでした。イギリス人の父親と日本人の母親のもとに生まれ、14歳でテレビ東京系『おはスタ』のマスコットガールとしてデビュー。亜細亜大学経営学部に通いながら学業と仕事を両立し、持ち前の明るさと抜群のトーク力、徹底した現場への気配りで階段を駆け上がりました。
しかし、騒動の代償はあまりにも甚大でした。ベッキー昔のレギュラー番組には、日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ!』、TBS系『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』、フジテレビ系『にじいろジーン』など、各局の看板番組がずらりと並んでいました。加えて花王やローソンなど大手企業10社とCM契約を結んでいましたが、これらはすべて放送中止および契約解除となり、発生した違約金は総額約5億円にのぼったと報じられています。
事実上の芸能界追放状態となった彼女の転機となったのが、金スマ中居正広とベッキー復帰の舞台裏です。2016年5月、TBS系『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』にて、約104日ぶりに地上波復帰を果たしました。番組内で中居正広氏は、嘘をついていた理由や川谷氏への未練、妻への謝罪の有無について、逃げ道を作らず厳しくも温かい眼差しで問い質しました。ベッキーさんが「奥様がいる方を好きになってしまい、記者会見でも嘘をつきました」と涙ながらにすべてを認めたことで、世論の空気は「絶対的な拒絶」から「内省と贖罪のプロセス」へと徐々に変化していきました。
ベッキー活動休止から復帰までの道のりは平坦ではありませんでした。地上波キー局のゴールデンタイムへの完全復帰には数年を要し、地方局番組や衛星放送、ラジオなどを足がかりに、一歩ずつ信頼を回復していく地道な作業が続きました。