ネット上の議論では「社会人はJ型のほうが生きやすい」「P型は社会不適合なのではないか」といった極端な言説が散見されます。しかし、これは近代的な官僚制や固定化された労働規範に照らし合わせた偏った見方に過ぎません。
変化のスピードが極めて速い環境においては、強すぎるJ型傾向は「計画への固執」「想定外のトラブルに対する脆弱性」というリスクに転じます。計画通りに進まない現実に強いストレスを感じ、バーンアウトしてしまうJ型も少なくありません。一方でP型は、混沌とした状況でもパニックに陥らず、その場で手に入るリソースを組み替えて乗り切るレジリエンス(回復力・適応力)を備えています。
また、「学生時代はP型だったのに、社会人になってからJ型に変わった」という診断結果の変化についても、心理学的な合理性があります。これは性格の本質が変容したというよりも、職場環境や業務上の責任に適応するために「後天的な行動スキル(J的ペルソナ)」を獲得した結果です。心理的安全性が保たれたプライベート空間に戻ると本来のP型の気質が顔を出すなど、置かれた社会的文脈によってテストの出力値が変動することは極めて自然な現象です。