リュウジ氏の活動を語る上で避けて通れないのが、定期的に巻き起こるSNS上での炎上と論争です。その最たる例が、長年続く「味の素(うま味調味料)論争」でしょう。
日本の家庭料理界では長年、「うま味調味料を使うのは手抜き」「化学調味料は体に悪い」「素材の味を殺す」といった根拠の薄い忌避感が根強く存在していました。これに対しリュウジ氏は、「サトウキビを発酵させて作られたグルタミン酸ナトリウムであり、適切に使えば塩分を抑えつつ旨味を補える極めて優秀な調味料である」と科学的知見に基づき真っ向から反論。自身のレシピにも躊躇なく味の素を取り入れ、批判的なユーザーに対しても論理的に意見を戦わせてきました。
さらに、飲食店で法外なチャージ料を取られた体験や、理不尽な接客を受けた際のSNS投稿など、忖度のない発信がたびたびネットニュースのトップを飾ります。業界の慣習やタブーに迎合せず、一般消費者の感覚で「おかしいものはおかしい」と言い切る姿勢は、強固な支持層を生むと同時に、アンチからの反発を招く諸刃の剣でもあります。
しかし、この摩擦を恐れないコミュニケーションによって、うま味調味料に対する世間の偏見が着実にアップデートされたことは、食文化の近代化における無視できない功績と言えます。