インターネット上の言説を整理すると、伊勢への参拝を巡っては「神様に呼ばれた人しか辿り着けない」「波長が合わないと門前払いを食らう」といった選民思想的なトーンが目立つ。こうした言説の温床となっているのが、YouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームでの体験談の消費構造だ。
電車が遅延した、急な腹痛に襲われた、参道で転倒した――日常的にも起こりうる偶発的なトラブルが、「神宮からの拒絶反応」として意味づけされ、拡散されていく。かつてNHKスペシャル「伊勢神宮」などでも描かれたような、悠久の自然と祈りの厳粛さが、現代のネットカルチャーの中で歪なスピリチュアル言説へと変換されている側面は否めない。