ミタスニーカーズの原点は、終戦直後の上野アメ横で創業した老舗履物店にあります。下町の泥臭い商売からスタートした同店が、世界屈指のトレンドセッターへと変貌を遂げた立役者が、クリエイティブディレクターを務める国井栄之(くにい しげゆき)氏です。
国井氏が打ち出したのは、「東京のストリートで本当に履かれるべきスニーカー」という明確なコンセプトでした。当時の海外偏重だったスニーカーシーンにおいて、日本の気候、アスファルトの路面環境、そして東京独自のストリートファッションの文脈をスニーカーのデザインに落とし込むという手法は、極めて革新的なアプローチでした。
店舗のアイコンとして有名なのが、店内に張り巡らされた「CHAIN LINK FENCE(金網)」です。金網越しにスニーカーをディスプレイする独自の世界観は、アメ横のアンダーグラウンド感と都会のストリート感を象徴しており、海外メディアや著名デザイナーが東京を訪れた際に真っ先に立ち寄るランドマークとなりました。「アメ横の2階にある小さなショップが、世界の巨大ブランドと対等にモノづくりを行う」という痛快なストーリーこそが、世界中のファンの心を掴んで離さない本質です。