素材の魅力を限界まで引き出すアプローチにおいて、世界のトップシェフたちも熱い視線を注いでいる。パティシエの辻口博啓氏は、和の要素やハーブのエッセンスを密かに忍ばせる技法を披露。桃が持つ繊細な香りを損なうことなく、酸味の利いたジュレやほのかなスパイスのアクセントを加えることで、余韻の長さを劇的に引き伸ばしている。
対する世界の巨匠ピエール・エルメ氏は、異素材との組み合わせで独自の小宇宙を創り出す。ライチやローズとの組み合わせに代表される独自の調和を桃に応用し、果実の甘さに華やかな香りの立体感を与えた。隠し味として使われるごく微量の塩や自家製シロップが、果実が本来持つ潜在的な甘みを鮮烈に引き立てる。世界を魅了する二人の名匠が明かすのは、単に果実を盛るだけではない、高度なアプローチの結晶だ。