いま放送業界の水面下で進んでいるのは、生き残りを懸けたドラスティックな再編シナリオだ。電波という強固な参入障壁に守られてきたビジネスモデルが寿命を迎えるなか、民放各局は「放送局」から「コンテンツIPプロバイダー」への脱皮を急いでいる。放送枠を売るビジネスから、制作した映像資産を世界規模でマネタイズする多角化へのシフトだ。
地方系列局の統合やインフラの共同利用、さらには広告枠の運用自動化(プログラマティックバイイング)の導入など、効率化への動きはかつてないスピードで進む。生放送の即時性、大規模な報道機能、災害時のライフラインとしての役割といった地上波ならではの強みを再定義しつつ、デジタル広告基盤を共通化する連合の構築が急務となっている。もはや「護送船団方式」の甘えは通用しない。自らの手で事業モデルを破壊し、再構築できる局だけが次の時代への切符を手にできる。