夜8時、駅東口のガード下にあるカウンターだけの立ち飲み屋。英語、フランス語、日本語が乱雑に飛び交っていた。注文方法は壁に貼られた木札を指差すか、キャッシュ・オン・デリバリー用のカゴに現金を入れるシステム。外国人観光客にとって、この体験自体が最高の「東京ローカル観光」になっている。
「ガイドブックの高級寿司より、この店の煮込みとハイボールが一番美味いよ!」。オーストラリアから訪れたという男性旅行客は、隣のサラリーマンと身振り手振りでグラスを合わせる。肩が触れ合うほどの狭い店内では、見知らぬ同士が乾杯を交わすのに1秒もかからない。スマホの翻訳アプリを挟んで笑い合う光景は、もはや神田の日常風景だ。