東京の第一線から京都放送局への異動が報じられた際、視聴者の間には大きな驚きと惜しむ声が広がった。しかし、この異動こそが彼女の表現者としての幅を決定的に広げる契機となる。看板ドキュメンタリー番組『歴史秘話ヒストリア』の二代目案内役への就任だ。
日々の速報性を競う報道番組から一転、時間をかけて過去の人間ドラマを掘り起こす番組フォーマット。彼女の落ち着いたアルトボイスと、歴史の陰影に寄り添うようなナレーションは、前任者が築いた世界観とはまた異なる、知的で奥行きのある番組カラーを生み出した。京都という土地が持つ独特の陰影と彼女の佇まいが共鳴し、ナレーターとしての評価を決定づけた時期でもある。