この街を語る上で、小説家・映画監督の村上龍が残した足跡を外すことはできない。芥川賞を受賞した『限りなく透明に近いブルー』に描かれた、荒削りで狂おしい福生の風景は、いまや文学史の一部となった。当時の米軍ハウス「ハウス」群の一部は現在も大切に保存され、アトリエやギャラリーとして再生されている。
近年では、その唯一無二のロケーションが映像クリエイターたちの創作意欲を刺激している。Netflix(ロケ地配信プラットフォーム)のオリジナルドラマや国内外のミュージックビデオで、福生特有のダイナーやハウス群が印象的な舞台として頻繁に登場。画面越しに漂う独特のエキゾチシズムに惹かれ、聖地巡礼に訪れる若い世代の姿も目立つ。