毎朝の生放送で突如として響き渡る「あまたつー!」の絶叫。フジテレビ系朝の情報番組『情報プレゼンター とくダネ!』で司会を務めた小倉智昭によるあの呼びかけは、事前の打ち合わせによる演出ではなく、完全なアドリブから生まれたものだった。
当時、気象コーナーといえばスタジオ内で原稿を整然と読み上げるスタイルが主流だった。しかし、外の気温を肌で感じ、雲の流れを背負いながらリポートする彼の姿は、お茶の間の距離感を一気に縮めた。小倉の容赦ないツッコミに笑顔で応じつつ、的確に天気の移ろいを返すやり取りは、朝の慌ただしいリビングに心地よいリズムをもたらした。
親しみやすいキャラクターの裏で、彼は常に天気の変化と格闘していた。外中継だからこそ肌に触れる湿度、風の冷たさ、日差しの強弱。五感をフル稼働させて伝えるスタイルは、日本のテレビ史における気象解説のフォーマットを鮮やかに塗り替えたのである。