強烈な恐怖や凄惨な視覚情報は、時に見学者の精神に過度な負担をかける。展示物を通して凄惨な死の光景を疑似体験した結果、心拍数の急上昇やめまい、吐き気などの急性ストレス反応を示すケースは決して少なくない。
精神医学の観点からも、感受性が豊かで防衛機制が未発達な子どもや思春期の生徒、あるいは高い共感性を持つ大人が直接的に悲惨な被爆資料を目撃した場合、二次受傷(代理受傷)を引き起こす恐れが指摘されている。重度のケースでは、展示の記憶が悪夢やフラッシュバックとして蘇り、一時的な不眠や不安状態に陥るなど、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に類似した心理的動揺が続くこともある。
展示に触れる側の心構えや事前の心理的準備が整っていない状態で、無防備にショッキングな光景を直視させることのリスクについては、心理専門家の間でも継続的に議論されている。