日本の正月文化において、東西の嗜好性の違いはお雑煮の仕上がりに色濃く反映されます。白だしは調合次第で、両地域の伝統的な味わいを見事に再現することが可能です。
関東風白だし雑煮を目指す場合、角餅をこんがりと焼き上げ、具材には鶏もも肉、小松菜、三つ葉を合わせます。鰹だしの香りが際立つヤマキなどの白だしを「1:9.5」で希釈し、仕上げに柚子の皮を添えることで、武家文化に由来する端正ですっきりとしたすまし汁仕立てが楽しめます。
一方、関西風白だし雑煮の趣を取り入れるなら、丸餅を焼かずに柔らかく下茹でし、里芋や大根、金時人参とともに合わせます。昆布の甘みが効いたキッコーマンなどの白だしをベースに、隠し味として少量の白味噌を溶かし込むか、薄口みりんを一垂らしすることで、京都や大坂の雅な食文化を思わせる円熟した旨味を堪能できます。