制限行為能力者とは?4類型の違いと契約取消・相手方保護を徹底解説

制限行為能力者とは?4類型の違いと契約取消・相手方保護を徹底解説

制限行為能力者とは?4類型の違いと契約取消・相手方保護を徹底解説に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

現行民法が定める制限行為能力者は、「未成年者」「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」の4類型に分類されます。2000年の介護保険制度導入に伴って旧禁治産・準禁治産制度から「成年後見制度」へと抜本改定されて以来、本人の自己決定権の尊重と保護のバランスを細やかに図るため、グラデーション構造が採用されています。

それぞれの類型において、保護者(法定代理人)が持つ「同意権」「取消権」「追認権」「代理権」の範囲が明確に分かれています。まずは実務と試験対策の双方で極めて重要な比較一覧表をご確認ください。

類型(本人)判断能力の目安・要件保護者の名称保護者の主要権限(同意・取消・代理)本人が単独でできる行為未成年者18歳未満(民法4条)親権者(または未成年後見人)同意権・取消権・包括的代理権あり・単に権利を得たり義務を免れる行為(無償の贈与など)
・処分を許された財産(小遣い等)の処分
・営業を許された場合のその営業行為成年被後見人精神上の障害により判断能力を常に欠く状態(重度の認知症など)成年後見人取消権・包括的代理権あり
※事前同意権はなし(同意しても本人が理解できないため)日用品の購入その他日常生活に関する行為のみ(これらは取消不可)被保佐人精神上の障害により判断能力が著しく不十分な状態(中度の認知症など)保佐人民法13条所定の重要行為に対する同意権・取消権
※代理権は家庭裁判所の別段審判(本人同意必須)が必要民法13条に列挙された重要財産行為(借財、不動産売買、訴訟提起など)以外の日常行為全般被補助人精神上の障害により判断能力が不十分な状態(軽度の認知症など)補助人審判で特定された行為についてのみ同意権・取消権・代理権が付与される(本人同意が前提)審判で定められた特定の重要行為以外のすべての法律行為

実務上および宅建などの国家試験で最大の盲点となりやすいのが、成年被後見人に対する「成年後見人の同意権が存在しない」という事実です。成年被後見人は日常的に事理を弁識する能力を欠いているため、仮に成年後見人が事前に「この契約を結んでいいよ」と同意を与えたとしても、本人はその通りに契約を履行できるとは限りません。そのため、事前に同意を与えて本人が行った契約であっても、成年後見人は後から契約を取り消すことができる点に注意してください。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。