ハエの卵を発見した際、一瞬の躊躇が致命的な事態を招きます。その理由は、ハエ類の孵化スピードが昆虫界の中でも極めて迅速であるためです。
一般的に、気温が25℃〜30℃前後に達する春から夏、初秋にかけての環境では、産卵から孵化までの時間はわずか8時間〜12時間程度です。朝に出勤する際、生ゴミの上に産み付けられた卵を「帰宅後に片付けよう」と放置した場合、帰宅した夕方にはすでに数百匹のウジ虫が這い回る惨状へと発展します。30℃を超える真夏日であれば、産卵から半日足らずで幼虫が這い出すケースも珍しくありません。
イエバエの成虫は1回に50個〜150個もの卵を産下し、生涯で4〜5回、条件が揃えば1,000個近くの卵を産み落とします。卵から幼虫(ウジ)の期間は約1週間、その後サナギを経てわずか2週間足らずで次の世代の成虫が羽化します。つまり、卵の段階で完全にリセットしなければ、ネズミ算式に個体数が増殖していくことになります。