手術経験者の手記や当事者コミュニティの検証から見えてくるのは、単なる手術代金にとどまらない「生活維持費と休業損害」の重みです。
自著やインタビューで手術体験を語ったFTM当事者の証言によると、見落としがちなのがFTM手術のダウンタイム期間に伴う減収リスクです。
胸オペ後は約1〜2週間の激しい痛みと可動域制限があり、重い荷物を持つ肉体労働やデスクワークの完全復帰には最低2週間〜1ヶ月を要します。子宮卵巣摘出や陰茎形成となれば、3週間〜2ヶ月近い休職を余儀なくされるケースも珍しくありません。この間の家賃、生活費、有給休暇の枯渇による無給期間の手元資金を確保しておかなければ、術後の生活破綻に直結します。
また、資金調達手段として多くのクリニックが提携している「性転換手術医療ローン」の金利(実質年率5.0%〜14.0%程度)にも注意が必要です。200万円を5年(60回払い)で分割返済する場合、利息総額だけで30万〜60万円以上上乗せされる計算になります。「毎月の返済額は2万円台」という甘い広告文句だけで判断せず、総支払額を綿密にシミュレーションすることが極めて重要です。