広島でお好み焼きと言えば、キャベツと麺を生地で挟んで職人が目の前で焼き上げるスタイルが一般的だ。しかし、徳川が提示したのは「テーブルで客自身が焼き上げる関西風」という真逆のアプローチだった。創業当時、この試みは業界内でも異例とされたが、蓋を開けてみれば「家族や仲間とワイワイ焼き上げる楽しさ」が爆発的な支持を集めることになる。
外食を単なる「食事の提供」から「体験の共有」へと昇華させたこの決断こそが、今なお衰えない人気の原点だ。店内を見渡せば、鉄板を前に笑い合う親子連れや、ヘラの返し方に苦戦しながらも楽しむ若者の姿が絶えない。