30年以上にわたりトップ戦線で体を張り続けた代償は、決して軽くないものだった。度重なる頸椎の負傷や両肩の痛みに苛まれ、本来のファイトスタイルを維持することが困難になったとき、彼女が選んだのは「未練を残さぬ完全燃焼」だった。
2017年11月の引退興行で行われたのは、前代未聞の「50人掛けマッチ」。往年のライバルから若手、さらには男子選手までが次々とリングに上がり、1分一本勝負で対戦する過酷なフォーマットだ。ボロボロの身体を奮い立たせ、満身創痍の状態で最後のひとりまで走り切ったその姿は、プロレス界における「美学の完結」として今も伝説的に語り継がれている。