当時のアフレコ現場を知る声優業界のレジェンドたちも、彼の妥協なき仕事ぶりを語り継いでいる。声優専業のキャストが多い中でも、水上功治は常に舞台俳優としての全身を使ったアプローチを崩さなかったという。
マイクの前に立つ際、彼は全身で空気の揺らぎを感じ取り、台本に書かれた文字以上の感情を声に乗せた。共演者からは「彼の発声を聞くだけで、現場のテンションが一気に跳ね上がった」「山形の最期のシーンのアフレコでは、スタジオ内が静まり返るほどの緊張感が走った」という秘蔵エピソードが明かされている。こうした職人肌の姿勢が、半世紀近く経った今も語り継がれる作品の強度を生み出したのだ。