一般の観光ガイドには滅多に載らない隠されたエピソードも存在する。実は、南館の設計軸線は姫路城の大天守と一直線に結ばれており、特定の窓から見渡す天守の姿はフレームに収められた絵画のように計算し尽くされているのだ。この空間的トリックは、安藤氏が密かに仕掛けた歴史へのオマージュに他ならない。
さらに、定期的に入れ替えられる企画展の裏側では、傷みやすい紙素材の肉筆原稿を守るための高度な温湿度管理と照明コントロールが行われている。学芸員たちが長年かけて全国から収集・修復した初版本や未公開書簡の数々は、一度逃すと二度と見られない貴重な逸品ばかりだ。来館前に展示スケジュールを精査しておくことが、鑑賞の満足度を左右する鍵となる。