北九州市が直面する急速な高齢化と人口減少は、病院経営のあり方を根本から変えた。地域医療構想のロードマップに基づき、地域内の病床機能分化が待ったなしで進む。慢性期や回復期のケアは周辺の療養型病院や在宅医療チームへ託し、基幹病院は一刻を争う処置に集中する。病棟のベッドは空いていれば誰でも入れる場所ではなくなった。
病棟の廊下を歩くと、看護師たちの歩く速度が速い。平均在院日数の短縮が厳格に求められるなか、入院直後から退院調整カンファレンスが動き出す。かつてのように「退院しても家で動けるようになるまで入院させてほしい」という要望は通らない。早期退院と在宅復帰を支援するソーシャルワーカーのデスクには、連日ケアマネジャーからの問い合わせ電話が鳴り響いている。