日本を代表する漫画界の巨人・鳥山明の作品群にも、ルール無用の命名センスは遺憾なく発揮されていた。集英社が発行する『週刊少年ジャンプ』の歴史において、読者の度肝を抜いたのが『Dr.スランプ』に登場するアフリカの首都から名前を取ったキャラクター「ンジャメナ」だ。
日常会話の挨拶「んちゃ」をはじめ、言葉の響きそのものを楽しむ作風で知られる鳥山ワールドだが、実在の地名や突飛なオノマトペをキャラクターに昇華させる手腕は突出していた。少年漫画の枠組みの中で、子どもたちが学校の休み時間に「『ん』から始まる言葉があるぞ!」と騒ぎ立てるきっかけを作った原点とも言える。