コーヒーショップと喫茶店の違いとは?法律と歴史から真相を解明

コーヒーショップと喫茶店の違いとは?法律と歴史から真相を解明

コーヒーショップと喫茶店の違いとは?法律と歴史から真相を解明について徹底解説いたします。専門家の見解をお届けします。

コーヒーショップと喫茶店を隔てていた最大の要素は、長年にわたり厚生労働省が所管する食品衛生法に基づく「営業許可の種別」にありました。昭和から平成にかけて、店を開業する事業者は「飲食店営業」と「喫茶店営業」のいずれかを選択する必要があったのです。

従来の喫茶店営業許可は、設備基準のハードルが比較的低い反面、提供できる飲食物に厳しい制限が課されていました。酒類の提供は原則として認められず、調理も「トーストを焼く」「既製品のケーキを切り分ける」といった簡易な加熱・加工に限定されていたのです。一方で、パスタやオムライス、カレーなどの本格的な食事を提供したり、ビールをはじめとするアルコール類をメニューに載せたりするためには、より厳格な厨房設備を満たした飲食店営業許可の取得が義務付けられていました。

しかし、この境界線は2021年6月1日完全施行の食品衛生法改正によって根本から覆されました。営業許可の区分が見直され、旧「喫茶店営業」は「飲食店営業」へと統合・一本化されたのです。2026年現在、保健所の行政手続きにおいて「喫茶店営業許可」という単独区分はすでに存在せず、法的には全ての店舗が同一の飲食店営業許可のもとで営業を行っています。法的な縛りが消滅したにもかかわらず、現場では今なお「コーヒーショップ」と「喫茶店」の棲み分けが色濃く残っています。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。