本作に関して一部で語られがちな誤解として、「単なる松山市のPRソングだから当たったのではないか」「地方局のプッシュによる一過性のブームだったのでは」という言説があります。しかし、実際の楽曲制作プロセスを精査すると、その見方は完全に誤りであることが分かります。
本作の勝因は、松山というローカルな舞台を精密に描きながらも、描かれている男女の心理描写や夜の空気感が、東京・銀座や大阪・北新地、福岡・中洲など、日本全国のあらゆる夜の街に通底する普遍性を持っていた点にあります。徹底したディテール(具体性)を突き詰めたからこそ、全国規模の共感(普遍性)へと昇華したというパラドックスが、本作の真の強みだったのです。